しばらく続いていた晴天が一変、雨や曇りの日が多くなりました。湿度も温度もあって、なんだか春先の雨模様のような感じがします。とはいえ、先週よりは確実に気温が下がってきていて、暑さで成長が止まっていた秋冬野菜たちの勢いが、ようやく出てきました。山の紅葉もようやくちらほらと始まって、山の上の方を見ると、ああ、秋だ。と思えます。
先週はまだ暖かい陽気でしたが、干し柿づくりをしました。この辺りには昔植えられた甲州百名柿という柿の木がたくさんあり、大きな実をたわわにならせています。老木の柿の木は大きく育ち、高枝ばさみでは届かないほど。脚立に上り、木に登り、屋根に上り、高枝ばさみを使って、あの手この手で柿の実を収穫します。
2時間くらいで約200個の柿が収穫できました。
渋柿の品種である甲州百名柿は、そのままだと渋くて食べられないので、昔から干し柿にされ、冬の保存食として重宝されてきました。渋みの成分が、干されることで甘みに変わるので、干し柿には渋柿が適しているのです。
収穫した柿の実は干し柿づくり当日まで冷蔵庫で保管しました。
北杜市白州町のエコヴィレッジ、ぴたら村の敷地を借りて、農的暮らしに興味のあるママさんたちがこどもたちとともに集いました。
まず、柿のヘタについている咢(ガク)の部分を取り除きます。
次に、ピーラーを使って皮を剥いていきます。
ヘタに近い部分はナイフを使ってヘタのギリギリまできれいに剥きます。
皮がむけたら、30㎝くらいに切ったタコ糸の両端にそれぞれ括り付けます。
紐の結び方はこちらの方のブログ https://blog.goo.ne.jp/yuki_konkon_/e/0e3c7120c719f29ada01f81e532839ea を参考にさせていただいています。
全ての柿を紐にくくったら、早速吊るしたいところですが、もうひと手間。柿の表面を殺菌します。柿の表面には目に見えないカビの菌が付着していることがあり、干している間にカビが生えてきて悲しい結末になることがあります。
殺菌の仕方は知っている限りだと3種類。
①熱湯消毒 最もポピュラーな方法かもしれません。沸いたお湯に30秒ほど浸してお湯から揚げます。
②アルコール消毒 ホワイトリカーなどの度数の高いアルコールに浸します。
③燻蒸消毒 プロの干し柿農家さんなど、1000個単位で作る場合は、この方法が使われます。硫黄の粉をフライパンで素焼きして出てくる煙を柿に当てることによって下記の表面をアルカリ化します。
殺菌が終わったらすぐに吊るします。
吊るす場所は、風通しが良いところがいいですね。写真のように、2つの柿が互い違いになるように吊るします。くっついているとカビの原因になります。
軒先や縁側につるせば、昔ながらの牧歌的な風景が出来上がります。
柿を日に当てると黒く変色するので、プロ農家さんは遮光して干しますが、味にはさほど変わりはないと思います。
山の近くに住む我々にとって、干し柿を干すのはなかなか一苦労です。
猿の大好物だからです。
猿は普段から偵察に来ていて、干し柿を食べるチャンスを虎視眈々と狙っています。まさに泥棒です。干したまま数日家を空けようものなら、大群でやってきてひとつ残らず食らいつくします。
とっても悲しいことなので、目立つ軒先などには絶対に干せません。目立たないところに吊るして扇風機を当てたり、工夫を凝らします。
1週間ほど順調に乾いたら、柿の表面がしわしわしてきます。
そうなったら一度、柿を揉んであげます。潰さないようにやさしく。こうすることで、柿の繊維がほぐれてトロリとした食感になるのと、乾くのも早くなります。
2週間ほど吊るして好みの固さに乾いたら、取り込みです。
そのまま保管してもいいですが、もうひと工程かけることでさらにおいしくなります。
風通しのいい場所に台を置いて、藁を敷き、干し柿を並べ、上から藁でサンドイッチします。数日置いて、白い粉が吹いてきたら完成です。これは糖質が柿の表面に出てきて粉状になる現象で、甘みが強くなり、見た目も美味しそうです。
完成したら、保存瓶など密閉できる容器に入れ、乾燥を保って保管しましょう。
干し柿はドライフルーツなので、そのまま食べる以外にも、お菓子作りやお料理に利用できます。仲間に干し柿入りの生チョコを作って販売している人がいるので、ご連絡いただけたらご紹介しますよ。
渋柿はこの時期、直売所や道の駅で売られていることが多いので、是非試してみてください。
干し柿づくりも、自然の恵みを糧に変える大事な手仕事。親たちが真剣に取り組める場所を作って、子供たちに手仕事の風景を見せ伝えていきたいと思っています。
さて、今週の野菜セットの内容です。夏野菜はいよいよ終わりを迎え始め、秋冬の野菜が揃い始めました。
今週の野菜セット
以下の野菜いずれか8~9種類が入ります。
わさび菜 ピリッとした辛みと上品な香りを持ち合わせ、フリル状の葉の形が美しい葉野菜です。生でサラダ、お料理の付け合わせのほか、さっと1分だけ湯がいて醤油を垂らすと辛みが際立ち非常に美味です。 |
春菊 今年は異常な暑い日照りが続きなかなか成長できない春菊ですが、いつもどおり柔らかくて苦みが無く、サラダで食べられるおいしい春菊に仕上がっています♪生のままで是非お召し上がりください。おみそ汁や、さっと茹でて白和えや胡麻和えも乙ですね。 |
水菜 秋冬の定番、水菜は白く細い茎とシャキシャキとした歯ごたえが魅力。さっと茹でればピリリとした辛みと独特の食感が楽しめます。寒い日は鶏ガラベースの鍋に。 |
レッドリアスからし菜 葉に細かい切れ込みの入ったカラシナで、ピリッとした辛みが特徴です。美しい葉は柔らかく、サラダに混ぜると色が映えます。水菜にも近いので、炒めものや鍋物にも使えます♪ |
さつまいも 皆さんお待ちかね!今年もこの時期がやってきました。ねっとり甘ーい紅はるかをお届けします。掘ってから2週間熟成したものをお送りしています。焼き芋が断然おいしいので、おススメです。ペーストにしてお菓子作りにもいいですね。ココナッツミルク煮や、お味噌汁にも合いますね。 |
大根 長かった残暑の間、完全に成長がストップしていた大根が、ようやく太り始めました。まだサイズは小さめですが、味が乗ってきています。輪切りにして煮物やロースト、茹でた後にフライパンで焼き目をつけてステーキもジューシー。薄切りでサラダや鍋に♪
|
ヤーコン さつまいもに形がよく似ていますが、南米の山岳地帯原産の根菜です。掘りたてなので、新聞にくるんだまま1週間ほど置いてからお召し上がりください。さつまいもと同じで、甘みが乗ってきます。ほのかな甘みとシャキシャキとした食感がまるで梨のよう。皮を剥いて酢水にさらし、生でサラダがおすすめです。天ぷらも美味!
|
里芋 秋の味覚。掘りたて新鮮な里芋の登場です!茹でればねっとり、揚げればホクホクで甘みを感じます。掘りたての里芋は皮も柔らかく、皮付きのまま素揚げしたり、蒸していただけば、深い味わいを楽しめます。 |
こかぶ 美人に育ったこかぶをお届けします!皮も柔らかいので丸ごと半分に切って煮物やソテーにしてお楽しみください。葉も栄養価が高く、サラダや和え物、お浸しや炒め物で、ビタミンやミネラルが摂れます。風邪をひきやすいこの時期に重宝しますね! |
長ネギ 気温が下がってくるにつれて甘みが増してきています。加熱調理に向く松本一本葱という、長野県の在来品種。鍋や煮物やローストでどうぞ。生で薬味にも使えます。 |
青梗菜 中国野菜の定番!青梗菜はなんといっても肉厚で柔らかな茎が魅力的。肉厚ですが、サッと火を通すだけでしっかり火が通り、柔らかくプリシャキッとした食感を楽しめます。 炒めものやスープに。 |
山東菜 今年は白菜がことごとく虫にやられましたが、結球しない白菜である山東菜は元気に育ちました!白菜ほど日持ちはしませんが、肉厚の白い茎とライトグリーンの葉、味も白菜そのもの。浅漬け、鍋、炒め物など幅広く楽しめます。片栗粉をまぶして生姜焼きも美味しいですよ♪ |
おまけ:アップルミント
リンゴのような香りと爽やかな清涼感。サラダに混ぜたりお水に浸してミントウォーター、煮だしてアップルミントティーに。吊るしてドライにしても香りが続きます。 |
畑のようす
里芋を収穫しました。地上部を切ってから万能鍬(三本鍬)で掘り上げます。里芋は親芋と子芋がすべてくっついているので、鍬を一振りすれば一回で一株が掘り上げられます。
掘り上げた里芋は畑に穴を掘って埋めて貯蔵しています。里芋の親芋と子芋がくっついたまま、茎の生えていた上部をさかさまにして穴の中に並べていきます。何段か並べたらガス抜き用のパイプや藁を立てて、土を被せます。里芋は貯蔵中に茎の部分が腐ったりしてガスが出やすいので、ガスが充満しないよう、ガス抜きが必要です。今回は向日葵の茎を使ってみました。
この地域は厳寒期になると地表20㎝ほどが凍り付きます。そのため。20㎝以上土をかぶせる必要があり、さらに雨除けの屋根を設置することで、凍りにくくします。これさえ気をつければ、うまくいけば3月まで新鮮な里芋が楽しめます。
葉物野菜が元気なので、写真を何枚か載せます♪
お知らせ
・野菜セットの定期便、新規ご注文受付中です。
ご好評いただいている野菜セットの定期便。まだ空きがありますので、お友達やご家族、同僚の方など、是非ご紹介ください。
・お正月特別野菜セットとなめらかお餅のご注文受付は、11月中旬~を予定しています!