あまぐも通信 2025年2月第1週 vol.31

あまぐも通信 2025年2月第1週 vol.31

暖かい日が続いていた1月とは打って変わり、2月に入るとぐっと気温が下がりました。ようやく冬本番の気候になったというところでしょうか。

1月から引き続き、野菜が育たないこの時期は、忙しいシーズン中にできていなかったことを進めることに加え、春の準備も徐々に始めています。

今月の主要な仕事は、踏込温床の材料集めです。春先の低温期から苗を育て始められるよう、落ち葉や稲わらの発酵熱を利用した踏込温床を、かれこれ7年ほど、毎年作り続けています。サイズは幅90㎝、長さ約5m、深さ90㎝。
踏込温床は化石燃料に頼らず、微生物の力に頼る方法なので環境負荷はほとんどなく、発酵した材料はやがて腐葉土となり、苗作りに使える最高の土になります。
落ち葉や稲わらに適切な量の水分を加えて発酵させ、踏み込むことによって発酵熱を安定させるこの方法は、昔から苗作りのために行われてきましたが、時代とともに電熱マットに取って代わられ、現在はほとんど消えてしまっている技術です。
苗作りは3月の種まきから5月の植え付けまで丸2カ月ほどかかりますが、2カ月間しっかり発酵熱を持続させるためには大量の落ち葉とわらを必要とします。
山間の集落であるここ武川、白州エリアは昔からの里山に少し入れば、広葉樹中心の深い雑木林があり、大量の落ち葉を集めることができます。
落ち葉集めはこどもも楽しめる作業。
仲間たちと一緒にワイワイ落ち葉集めをすれば、あっという間に2時間ほどで軽トラ2台分ほどの落ち葉が集められてしまいます。
手間も人手も惜しまず、敷いてスイッチをいれるだけの電熱マットに頼らないのには訳があります。
自然の力を借りることを意識して実行するだけで、人と人がつながり始める。
そこから新たな助け合いや、アイデアや、可能性が生まれる。
これが自然の中で自然とともに暮らす醍醐味だと思っています。
というわけで、温床の支度をしながらも、温床なしで低温で育つキャベツやレタス、エンドウの種まきがそろそろ始まります。
春が少しづつ近づいてきました。
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